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歯科症例34

チワワ 10才9カ月 男の子

だいぶ前から口臭があり、歯石も気になるので、歯科治療処置を受けることを考えている
とのことで来院されました。

診察では、大量の歯石が認められ、充分には見せてくれませんでしたが、歯周病も重度のようでした。
切歯のほとんどがすでに抜けて無くなっており、麻酔下での歯科治療処置を行うことになりました。

術前検査で行った頭部レントゲンでは、上顎吻側の顎骨が吸収されて消失していることが分かり、顎骨骨折の危険性があるため、処置の際にはより注意が必要と思われました。
血液検査ではCRP・血液凝固系検査で異常値が認められましたが、抗生物質を飲ませていただき、処置当日に再度血液検査を行った上で予定通り処置を行いました。
口腔内の状態を良くしておくため、術前検査から処置までの間、口腔内用のサプリメントも飲ませていただきました。

麻酔下での歯周プローブ検査後、歯神経ブロック、通水テストを行いました。

歯周プローブ検査

歯神経ブロック

通水テスト


通水テストでは、口腔鼻腔ろうは認められませんでした。
スケーリング、ルートプレーニング・キュレッタージを行い、ぐらつきのひどかった歯を抜歯しました。

スケーリング

ルートプレーニング・キュレッタージ

左上顎第4前臼歯は3根歯(歯の根元が3つに分かれている歯)なので3本に分割、

右下顎第1後臼歯は2根歯(歯の根元が2つに分かれている歯)なので2本に分割してから抜歯しました。

抜歯窩は高速ハンドピースでトリミング後、生理食塩水できれいに洗浄し、縫合しました。

洗浄

縫合

ポリッシング後、歯周ポケットの深かった部分に歯科用軟膏を注入しました。

ポリッシング

歯科用軟膏の注入

処置前(右上顎)

処置後(右上顎)

処置前(右下顎)

処置後(右下顎)

処置前(左上顎)

処置後(左上顎)

処置前(左下顎)

処置後(左下顎)

翌日の朝には、フードを勢いよく食べてくれて、元気に退院しました。
退院時には、歯科検診結果表をお渡ししています。
退院してからも元気・食欲ともにあり、口を気にする様子はないとのことでした。

経過①:処置から1週間後に来院されました。元気でフードをよく食べていて、口を気にすることもなく痛がることもないとのことでした。歯は歯垢もついておらず、とてもきれいでした。これからお口の中を健康に保っていただくため、歯みがきの仕方についてお伝えしました。
経過②(処置から5週間後):ご家庭で、だいぶ口を触ることができるようになり、歯ブラシを使って歯みがきを頑張っているとのことでした。診察すると、歯垢・歯石はなく、歯はとてもきれいでした。

ご家庭での歯のお手入れ、がんばりましょう!