お知らせ
2015.09.24

歯科の治療と処置 67

猫 Mix 2才9ヵ月 男の子

よだれが多い
口臭が気になる
舌がずっと出たままになっていることが多い
ドライフートをあまり食べなくなった。痛みがある様子
麻酔下での処置で、きちんと痛みをとってあげたい

とのことで来院されました。

診察では、臼歯部分に歯石・歯肉の炎症が認められ、その他歯石のない歯の歯肉にも炎症が起こっていました。
飲み薬により一旦よだれや口臭は改善されましたが、その後また口臭が強くなってきたとのことでした。

そこで、充分な術前検査の後、麻酔下での歯科治療処置を行うことになりました。
処置までに口腔内の状態を少しでも改善するため、口腔内用のサプリメントを術前から使っていただきました。

 

 

麻酔下での歯周プローブ検査・歯科レントゲン検査後、
歯神経ブロック、スケーリングを行いました。

  
歯周プローブ検査                  歯神経ブロック


スケーリング

口腔内を確認したところ、すでに欠損している歯もあり、特に臼歯部分に歯周病が進行していました。
また、一部の歯にはFORL(猫破歯細胞性吸収病巣)が認められました。
ぐらつきがあり、歯根部の吸収がひどい部分は抜歯処置を行いました。


FORL(猫破歯細胞性吸収病巣・ネックリージョン):歯を溶かしていく進行性の疾患です。
                         進行すると歯の象牙質や歯髄が露出し、痛みを生じます。



歯根部が分かれている歯は分割してから抜歯しました。

右上顎第2前臼歯は2根歯なので2本に分割しています。(青○部分)

抜歯窩は歯槽骨のトリミング後、生理食塩水できれいに洗浄し縫合しています。

  
右上顎                      右下顎
 抜歯・縫合後(黄○部分)

  
左上顎                      左下顎

その後、フッ素配合の研磨ペーストを使ってポリッシングしています。
歯の表面の目に見えない凸凹をなくすことで、歯石・歯垢のつきにくい状態にしています。

 




  
処置前(右上顎)                 処置後(右上顎)

  
処置前(右下顎)                 処置後(右下顎)

  
処置前(左上顎)                 処置後(左上顎)

  
処置前(左下顎)                 処置後(左下顎)


 退院時には、歯科検診結果表をお渡ししています。

処置翌日、「調子よく、処置当日からガツガツ食べて元気にしている」との報告をいただきました。

経過①(処置から6日後):食欲はとてもあり、痛がることなくガツガツ食べているとのことでした。
歯肉の炎症もかなり治まっていました。

経過②(処置から16日後):歯肉の炎症は全くなくなっていました。
そこで、これからお口の中を健康に保っていただくため、歯みがきの仕方についてお伝えしました。


 ご家庭での歯のお手入れ、がんばりましょう!   

 


  <参考>

*歯周プローブ検査:歯周ポケットの深さを1本ずつ測定します。

*ルートプレーニングとキュレッタージ:歯科治療処置では、見えている歯垢や歯石を取るだけではなく、
                   歯周ポケットの中もきれいにすることがとても重要です。

*ポリッシング:歯石を除去すると歯の表面には目に見えない傷がつき、歯垢・歯石が付きやすい状態になっています。
        専用の研磨剤と機械でツルツルに磨き、処置後もお口の中を健康に保てるようにしています。

ペインコントロール:できるだけ痛みのない手術や処置のために。そして、より安全な麻酔のために。

 

院長は日本小動物歯科研究会に所属、技能レベル1~レベル4まで、動物歯科の全レベルを修了しており、
当院ではそれに基づいた適切な歯科治療を行っています。    

 

日本小動物歯科研究会HP 「無麻酔で歯石を取る?!」
<コラム>デンタルケアのお話  

 

  *歯科の治療と処置 一覧はこちらをご覧ください。