お知らせ
2014.05.11

歯科の治療と処置 45

 Mix(ヨークシャーテリア×チワワ) 12才7カ月 男の子

今朝から右目の下が腫れているとのことで来院されました。
診察で口腔内を確認したところ、右側の口腔内で出血・排膿があり、
<内歯ろう>が形成されていることがわかりました。


右目の下が腫れ、左右の目の開き具合が異なっているのがわかります。

 

 

 

*内歯ろう(ないしろう):歯の根元に膿が溜まり、そこから膿を排出するための管が作られて
             その管の出口が口の中(歯肉・口腔内粘膜)にできた状態のことです。
             管の出口が頬側にできた状態は外歯ろう(がいしろう)といいます。


外歯ろうもできており、数日後には口腔内だけではなく頬からも出血・排膿しました。

そこで、充分な術前検査の後、歯科治療処置を行うことになりました。

 

 

 

 麻酔下での歯周プローブ検査後、
歯神経ブロック、スケーリング、ルートプレーニング・キュレッタージを行いました。

  
歯周プローブ検査                  歯神経ブロック

  
多量の歯石・歯垢と接していた部分は炎症を起こし、潰瘍になっていました。(黄○部分)
歯周プローブ検査では12mm以上のポケットが認められた歯もありました。

  
スケーリング                ルートプレーニング・キュレッタージ


歯周ポケットが深く、ぐらつきもひどかった臼歯を5本抜歯しました。

  

 

               抜歯前

 

3根歯(歯の根元が3本に分かれている歯)は、
高速ハンドピースにて3本に分割してから抜歯します。(写真右青○部分は分割後の歯です)
抜歯窩は歯槽骨のトリミングを行った後、生理食塩水で洗浄・縫合しました。

  
抜歯後                 縫合後(緑○部分が縫合した部分です)


フッ素配合の研磨ペーストでポリッシングし、歯周ポケットの深かった部分には歯科用軟膏を注入しました。

  
ポリッシング                歯科用軟膏の注入


  

 

処置前(右上顎)                  処置後(右上顎)

  
処置前(右下顎)                  処置後(右下顎)

  
処置前(左上顎)                  処置後(左上顎)

  
処置前(左下顎)                  処置後(左下顎)

 退院時には、歯科検診結果表をお渡ししています。

経過(処置から1週間後):元気・食欲はしっかりあるとのことでした。
歯肉の炎症はほぼ治まっていました。外歯ろうによる顔の傷もきれいに治り、腫れは全くありませんでした。

  
処置前                  処置から1週間後

 

 

 

これからお口の中を健康に保っていただくため、歯みがきの仕方についてお伝えしました。



 ご家庭での歯のお手入れ、がんばりましょう!   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

<参考>

*歯周プローブ検査:歯周ポケットの深さを1本ずつ測定します。

*ルートプレーニングとキュレッタージ:歯科治療処置では、見えている歯垢や歯石を取るだけではなく、
                   歯周ポケットの中もきれいにすることがとても重要です。

*ポリッシング:歯石を除去すると歯の表面には目に見えない傷がつき、歯垢・歯石が付きやすい状態になっています。
        専用の研磨剤と機械でツルツルに磨き、処置後もお口の中を健康に保てるようにしています。

ペインコントロール:できるだけ痛みのない手術や処置のために。そして、より安全な麻酔のために。

 

 院長は日本小動物歯科研究会に所属、技能レベル1~レベル4まで、動物歯科の全レベルを修了しており、
当院ではそれに基づいた適切な歯科治療を行っています。      

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本小動物歯科研究会HP 「無麻酔で歯石を取る?!」
<コラム>デンタルケアのお話 

 

 *歯科の治療と処置 一覧はこちらをご覧ください。